memo

祭りとしての野球応援

先週の卒論ゼミで、野球の応援に関する報告があった。 高橋豪仁さんの「広島市民球場におけるプロ野球の集合応援に関する研究」*1を引いていて、この論文自体は前にやはり卒論でちらっと取り上げた学生がいたので、覚えていた。内容は、広島カープの応援団の…

嗅ぐと信頼が高まる物質――スイスの研究チームが実証

http://hotwired.goo.ne.jp/news/technology/story/20050603302.html 6月2日付の『ネイチャー』誌に掲載にされているこの研究では、128人の被験者が「信頼ゲーム」を行なった。オキシトシンを嗅いだ被験者たちが投資家の役になり、彼らは、受託者に資金を引…

虐待防止の「公共」広告

こういうバナー広告がある。 http://www.interactive-salaryman.com/pieces/invisible_j/main.htm 家族の写真にポインタをあわせると、「虐待は見えません。」「でも、注意を向ければ、発見できるのです。」というコピーがあらわれる。 広告のクリエイティブ…

生産的批判

http://www.ringolab.com/note/natsume2/archives/003334.html これが一番大事なもの。そしてネット上の(だけではないが)「祭り」に一番欠けているもの。

ついでだ

日本の「メール脳」の人は、テレビゲームで自閉症になるとかいう珍説まで唱えてらっしゃるようなので、予防線。 もとは日本自閉症協会東京都支部にあったページのようですが、なくなってるので、グーグルのキャッシュにリンクしときます。 http://66.102.7.1…

そうそう、『中央公論』4月号でいうと

本田論文(「対人能力格差」がニートを生む)と原田論文(学力を捨て「ケータイ」へ向かった十代)がともに、若者の「対人能力」「コミュニケーション能力」の向上を言っていたのがおもしろかった。 ニート関係の議論を読んでいていつもちょっとひっかかると…

おのれのアホさ加減を恥じる

本田由紀さんの新刊『若者と仕事』の書評を昨日お引き受けしたのだが、若者と仕事―「学校経由の就職」を超えて作者: 本田由紀出版社/メーカー: 東京大学出版会発売日: 2005/04/01メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 71回この商品を含むブログ (45件) を見…

ローレンス・レッシグ "CODE v.2"

今年中にBasic Booksから出版予定らしい。 ていうか、ここ(↓)で公開改訂作業中。 http://codebook.jot.com/WikiHome紹介記事はここに(↓) ※アカウント(無料)が必要 http://www.mercurynews.com/mld/mercurynews/business/technology/11148136.htm 一部…

"The Small-World Problem"追加補足

昨日のエントリで紹介したミルグラムの論文ですが、あまり原典が読まれないまま、「6次のへだたり」「小さな世界仮説」*1という概念だけが一人歩きしているようなので、もうちょっと補足しときます。 小さな世界仮説はミルグラムに端を発するものではあるの…

ミルグラム≠6次のつながり

『認知科学』最新号(12巻1号、2005年)の特集は「認知科学オントロジー」。 オントロジーといっても哲学用語でいう存在論ではなく、工学用語。ま、ここではおおよそ辞典くらいに考えればよい。その辞典の項目に「ソーシャルネットワーキング」があり、次の…

ケータイと不倫

via id:contractio:20050307#1110167348 http://www.sunmark.co.jp/00/media/image/nikkeibijinesu_l.jpg ――不倫や離婚に関する相談が最近はものすごく増えているそうですね。 日本の社会で不倫がものすごく増えているからですよ。その大きな要因は携帯電話…

電車の中の化粧

http://www5b.biglobe.ne.jp/~sken/hp/psychology.embarrassment/resarch%20room/kenkyu/kenkyu.kesyo.htm 菅原健介さんのサイトより。 「仲間以外はみな風景」、だから電車内で化粧をしようが、地べたに座りこもうが平気なのだ、とも言うが、見知らぬ他者を…

武士道→青春→ドラマになった高校野球

卒論2次草稿のチェックが一通り終わる。けっこうおもしろいのが今年は(も?)いくつかある。だから大学教員はやめられん。 ひとつだけご紹介。 戦後を中心に高校野球、「甲子園」の新聞報道をジミ〜におっかけてるやつがいるんですが、先行研究にもある通…

学生一人当たり公財政支出教育費(高等教育・2000年)

私大教連のニュースレターに載っていたもの。出典は「教育指標の国際比較」平成16年版。単位は米ドル。 スウェーデン 13,300 ノルウェー 12,848 デンマーク 11,693 オーストリア 10,493 ドイツ 10,004 オランダ 9,237 ベルギー 9,177 カナダ 9,140 アイルラ…

別冊SIGHT『日本一怖い!ブック・オブ・ザ・イヤー2005』

ビジネス&サイエンス部門の選書は次のとおり。 編集部の3冊堀江貴文のカンタン!儲かる会社のつくり方作者: 堀江貴文出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ発売日: 2004/08/31メディア: 単行本購入: 13人 クリック: 209回この商品を含むブログ (76…

安直にアンケートすんな

という話を、内田さん@神戸女学院大が11/23のエントリでしている。 このすぐに「アンケートを取る」という調査のスタイルがどうも私にはよくわからない。 私のところにもさまざまなアンケートが来るし、私のゼミ生でも、何かというと「では、アンケートを取…

佐賀大学附属図書館の見識を疑う

どうもここのところ体調の振幅が激しい。 昨日も大学にいるうちはそこそこだったのが、帰宅して夕食を終えたら、急に気分が悪くなり、熱も少しあったので、一件ミーティングキャンセルの連絡をしてから、早々に床についた。 10時間寝たらかなりすっきりし…

『トゥルーマン・ショー』とメディア天皇制

先週、講義の時間に『トゥルーマン・ショー』の上映会をして、今日はそれをネタにして講義。 ええ、そうです、北田さんの『広告都市・東京』の話のパクリですとも。 ただ、さすがにまんまパクるだけでなく、いくつか自分なりの味付けは足しましたが。 『トゥ…

授業評価アンケート

今日、春学期におこなわれた授業評価アンケートに対する「教員のコメント集」がメールボックスに入っていた。 私自身はうっかりコメントを返すのを忘れていたのだけれど(笑) みなさん、かなり学生の授業評価を真摯に受けとめておられる。 まあ、そりゃそう…

人質殺害事件にまつわる覚え書

殺害されたご本人について、今この時期にあまりあれこれ言いたくはない。 誰が読むかわからないこのネットという場では、何を言っても「死者に鞭打つ」(紋切り型な言いかただが)ことにしかならないのではないかと懼れる。 ご本人についてはまず、心からご…

社会調査の暴力性

私たちは、日常生活のなかでも、他者のふるまいや発話を「解釈」して生きている。 他者のふるまいや発話が何を意味しているか、そのありうべき可能性(選択肢)は、あまりに多岐にわたり、複雑にすぎる。 その複雑性を「解釈」によって縮減し、上手にごまか…

社内報

むかし勤めていた会社の社内報が何年分かでてきた。 勤めいたいた当時は「けっ」ってな感じ受け取っていた(けども何となく気になって割にちゃんと読んでいた)のだが、今になって第三者的な目からみると、何かこれはおもしろい「メディア」だなあと。 社内…

社会調査データで何が言えるか

何かしらの調査データをもとに、何ごとかを言おうとする語り口を聞いていると、その語り手によっては、ものすごい違和感というか抵抗感をおぼえることがある。 それは、調査データを正しく用いることによって確たる「真理」に到達できる、という臭いを語り手…

広告の「Jポップ」化?

お貸しした『ユリイカ』の増田論文、おもしろかったようで何よりです> id:Albini:20040826#p7くん さて、この増田聡さんの論文や、Albiniくんが次のように書いてるのを読んで、わたしが思ったのは、広告も90年代に「Jポップ」化したんではないかなという…

だいじょうぶか、日本小児科医会アンケート

「子育てと医療と裏モノと」7/30のエントリより。 「子どもとメディア」小児科医の意識調査アンケートに、次のような設問があるそう。 17. テレビ、ビデオ、テレビゲーム・携帯用ゲームなどが子どもにどのような影響を与えると思われますか。考えられること…

つながっていないかもしれない不安を見られているかもしれない不安

前期に4回採った出席チェックをようよう終えました。 最後の回の出席シートに書かれた講義の感想からいくつか。 世界の中心で愛を叫びたいと思います。 前期の授業おもしろかったです。 小説とマンガはクリアしたんで、何とかこの夏に映画も観とこうかと。 …

ネット空間の誤配可能性

その朝日の出してる『ASAHIパソコン』7/15号が“電車男”を記事にしていた(「2ちゃんねる発「純愛物語」にハマりまくる人々」)。 知識人層と思われる読者を中心に「ネットに新世代出現」という世代論も飛び出した。一世一代の恋愛相談を、顔も名前も知らな…

北朝鮮のスウォドリング

『週刊新潮』6月24日号に、北朝鮮の少年団員(小中学生にあたる)向けのなぞなぞ本が紹介されている。 右は、そのなぞなぞの1つに添えられた挿絵の一部を抜き出したもの。 なぞなぞ自体は、「窓ひとつない閉じられた家に生まれて、静かに育ち、最後に家…

脳科学主義および心理主義の死角

少し話を一般化して、この手の問題を考えるにあたって、「なぜ社会(学)的位相への目配りが必要か?」を一くさり。 私が学生さんに、社会学の領分を説明するときによく使う例を引いておこう。 たとえば、ある集団における差別意識の実態を調べるために、ア…

講義の反応

今日、私の担当している「情報メディア論」という講義で、話が一区切りついたので、出席調査をかねて授業の感想や質問などを書いたもらった。 この1ヶ月くらいのユニットでやっていたのは「暴力的な内容のテレビ(ゲーム)の影響」のお話。 ごくおおざっぱ…