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阿部真大『搾取される若者たち ――バイク便ライダーは見た!』

非常勤帰りの電車のなかで読了。『ソシオロゴス』に掲載されていた論文の新書化ですよね。 バイクの世界も、バイク便ライダーの世界も知らない私にとって、そのルポというだけでもおもしろい。 社会学的にも興味深い(「誘惑する職場」の分析など)のだが、…

『戦争体験の社会学』

戦争体験の社会学―「兵士」という文体作者: 野上元出版社/メーカー: 弘文堂発売日: 2006/02/01メディア: 単行本 クリック: 33回この商品を含むブログ (16件) を見る 著者からのいただきもの。 昨日読み始めたら、うっかり止まらなくなり、無理矢理時間をこじ…

南田さんのリプライへの応答

浅野智彦(編)『検証・若者の変貌』勁草書房の2章「若者の音楽生活の現在」についてです。昨日のエントリに対し、著者の南田さんよりリプライいただきました。 コメント欄でも述べたように、「仮設定された言説に対して答えることは無理です」というのは、お…

『検証・若者の変貌』

検証・若者の変貌―失われた10年の後に作者: 浅野智彦出版社/メーカー: 勁草書房発売日: 2006/02/01メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 107回この商品を含むブログ (33件) を見る 第一章 若者論の失われた十年……浅野 智彦 第二章 若者の音楽生活の現在……南…

宮台・北田『限界の思考』

限界の思考 空虚な時代を生き抜くための社会学作者: 宮台真司,北田暁大出版社/メーカー: 双風舎発売日: 2005/10/22メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 82回この商品を含むブログ (128件) を見る この2日ほど寝込んでおりました。 昨日は年内ラストの講義…

論文2本出ました

1つは↓のテキスト本のなかに。自己と他者の社会学 (有斐閣アルマ)作者: 井上俊,船津衛出版社/メーカー: 有斐閣発売日: 2005/12/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 12回この商品を含むブログ (20件) を見る拙論は9章の「電子メディア上のかかわり」。 …

しつけの問題

3年生のゼミで「しつけは衰退したか」をテーマにしている班があるので、たまたま目を通した本のなかからメモ。 確かに私自身も、幼稚園や小学校がらみで、しつけの悪い子どもが増えたという話をよく見聞きするのですけども。 いろいろな事柄の中で外国人の…

『若者と仕事』

本田由紀さんは、こういう本をお書きになっている先生です。 学生諸君は講演会までに読んでおくように。若者と仕事―「学校経由の就職」を超えて作者: 本田由紀出版社/メーカー: 東京大学出版会発売日: 2005/04/01メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 71回こ…

「チョコレート工場」で小さな発見

Charlie and the Chocolate Factory (My Roald Dahl)作者: Roald Dahl出版社/メーカー: Puffin発売日: 1998/06/01メディア: ペーパーバック購入: 2人 クリック: 148回この商品を含むブログ (104件) を見る 小学校のときに繰り返し読んだ記憶がある(もちろん…

SPIなんてこんなもの

適性・適職診断のエントリを書いているときに、「心理テスト」をこきおろした本を確かどっかで立ち読みしたんだけど、何だったっけかな、と思っていたのだが、今日たまたま本屋で見つけました。「心理テスト」はウソでした。 受けたみんなが馬鹿を見た作者: …

森健『インターネットは「僕ら」を幸せにしたか?』

インターネットは「僕ら」を幸せにしたか?―情報化がもたらした「リスクヘッジ社会」の行方作者: 森健出版社/メーカー: アスペクト発売日: 2005/08メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 20回この商品を含むブログ (66件) を見るたまたま自宅近くの本屋で目に…

Personal, Portable, Pedestrian - Mobile Phones in Japanese Life

Personal, Portable, Pedestrian: Mobile Phones in Japanese Life (The MIT Press)作者: Mizuko Ito,Misa Matsuda,Daisuke Okabe出版社/メーカー: The MIT Press発売日: 2005/07/22メディア: ハードカバー クリック: 1回この商品を含むブログ (2件) を見る…

『カーニヴァル化する社会』との往復運動

昨日はGLOCOM Forumのised研でしたが、今朝早々に帰ってきて、またしこしこお仕事してます(泣) んで、昨日のレセプションの際に鈴木謙介さんに会ったので、ふと思い出し、『カーニヴァル』の話をメモしておこう、と思い立った次第。カーニヴァル化する社会…

『放送メディア研究』3号

http://d.hatena.ne.jp/dice-x/20050328#p1 で一部紹介した論文の掲載誌が刊行されたようです。 まだアマゾンやbk1では検索にひっかかってきませんが。放送メディア研究〈3〉特集 情報空間の多様化と生活文化作者: 日本放送協会放送文化研究所,NHK放送文化研…

年収300万円時代を生き抜く経済学

新版 年収300万円時代を生き抜く経済学 (知恵の森文庫)作者: 森永卓郎出版社/メーカー: 光文社発売日: 2005/05/10メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 93回この商品を含むブログ (63件) を見る夏休みの昼休みに豚キムチ丼食いながら、少し読みました。 おもし…

正高信男氏の新刊

考えないヒト - ケータイ依存で退化した日本人 (中公新書 (1805))作者: 正高信男出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2005/07/26メディア: 新書 クリック: 18回この商品を含むブログ (34件) を見る もはや内容について新たに言うべきことはない。 (http:/…

むかし書いた読書案内

研究室をちょこっと整理してたら、出てきた。 関大生協『季刊 書評』118号(2001年4月)p.15-7より。マンガはなぜ面白いのか―その表現と文法 (NHKライブラリー (66))作者: 夏目房之介出版社/メーカー: 日本放送出版協会発売日: 1997/11メディア: 文庫購入: 1…

山田真哉『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』

さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 身近な疑問からはじめる会計学 (光文社新書)作者: 山田真哉出版社/メーカー: 光文社発売日: 2005/02/16メディア: 新書購入: 10人 クリック: 331回この商品を含むブログ (1042件) を見る話題のベストセラーなので、昼休みにさ…

『若者論の失われた十年』

いよいよ出るぞ。 http://tasano.cocolog-nifty.com/kinkyou/2005/06/index.html#a0005370835 出たらすぐゼミで読むからね。 図書館に入るの、待たないからね。 本代、用意しといてね >ゼミの学生諸君各位

大学時代しなければならない50のこと

学生のブログを(盗み)読みしていると、実におもろい、たのしい。 なかには読まれていることに気づいていない(らしい)学生さんもいるが、けっこう探りあてたりしているのだよ。 それはともかく、先日、3人の3回生が「就活がせまってくるんですけど、何…

本田由紀『若者と仕事』

若者と仕事―「学校経由の就職」を超えて作者: 本田由紀出版社/メーカー: 東京大学出版会発売日: 2005/04/01メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 71回この商品を含むブログ (45件) を見る 依頼のあった書評かきあげて、さっき送りました。 調査データの分析…

素数に憑かれた人たち

リーマン予想が歌になってたとは知らなんだ。 「ゼータ関数の零点はどこ」という歌。 一度実際に聴いてみたい。 ハイデガーのWas ist Sein?の歌*1(→これ)くらい脱力するんだろうか。 *1: もちろんハイデガーが歌っているわけではない(w

電車男

先々週だったか、朝日の日曜版の高橋源一郎の書評がちょい引っかかっていたので、買ってみたわけだが。 確かに終盤の電車の下ネタ系爆弾(エルメスとのエッチの話)投下、中の人たち戸惑う、ってあたり(この辺)はきれいに削除されて、ノイズの少ない純愛物…

I.A.Noveck and D.Sperber (eds.), Experimental Pragmatics, Palgrave

「語用論」に「実験」ときたので、もう私には萌え萌えの一冊。 しかし、読者は限られるだろうなあ、世界中でも何百人という単位かもね。 H.H.Clark and A.Bangerter, Changing ideas about reference R.W.Gibbs, Psycholinguistic experiments and linguisti…

J.R. Searle, Mind, Oxford U.P.

心の哲学の入門書ですね。 A dozen problems in the philosophy of mind The turn to materialism Arguments against materialism Consciousness part I: Consciousness and the mind-body problem Consciousness part II: The structure of consciousness a…

ゲームソフトが人間に与える影響に関する調査報告書

社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)のサイト「ゲーム研究データインデックス」より。 混雑していたのか、どうにも重くて、先ほどようやくダウンロードし終えました。 185ページの大部の報告書。 焦点はもちろん「ゲーム脳」にあり。 独自…

広告批評10月号

『広告批評』を買うのはひさしぶり。 学生時代は割とちょくちょく買っていたような記憶がある。 卒業して代理店に就職してからも、仕事柄、よく買ってはいたが、だんだんイヤになって買わなくなった。 だって、編集者(A野Y吉とかS森M子とか)が、広告の…

盛山和夫『社会調査法入門』有斐閣

河合幹雄『安全神話崩壊のパラドックス』岩波書店 とともに、週末にようやく生協から届く。 関大生協は、ちょっと発注から入荷までが遅いぞ(苦情)。 新刊が店頭に並ぶのも遅いし、並ばないのもけっこうあるし。 ジュンク堂かどっかでとっとと買ってしまえ…

社会調査データで何が言えるか

何かしらの調査データをもとに、何ごとかを言おうとする語り口を聞いていると、その語り手によっては、ものすごい違和感というか抵抗感をおぼえることがある。 それは、調査データを正しく用いることによって確たる「真理」に到達できる、という臭いを語り手…

中西新太郎「若者たちに何が起こっているのか」花伝社、2004

思った以上に、おもしろい本だった。 著者は48年生まれとあるから、今、56歳か。 「藤崎詩織」とか「黒田硫黄」とかがすらすら出てくる団塊世代って、すごくね。 奇跡的にすら思える。 かといって、いわゆる「サブカル」ばかりを論じた本ではない(し、…