年収300万円時代を生き抜く経済学

新版 年収300万円時代を生き抜く経済学 (知恵の森文庫)

新版 年収300万円時代を生き抜く経済学 (知恵の森文庫)

夏休みの昼休みに豚キムチ丼食いながら、少し読みました。
おもしろいわ、これ。
経済学にはくそドシロウトな私でも。
とまらなくなりそうな悪寒がしたので、明日の出張の機内読書用にとっとく。


学生さんたちは、次の箇所だけでも読みたまい。

デフレ政策が支持される理由は、最初のうちは、多くの国民がデフレのメリットを受ける側にいるということである。
デフレの初期段階では、雇用の守られたサラリーマンや年金生活者はデフレのメリットだけを受ける。賃金や年金が下がらないなかで、物価や不動産価格が下がるのだから、よりよい生活ができるからである。
マクドナルドが59円になり、吉野家が280円になり、ユニクロが1980円のフリースを出し、コンビニのおにぎりが100円になる。年収の10倍もしていたマンションが、年収の5倍以下で変える。こんなによいことはないではないか。そういう判断になるのだ。
もちろんデフレの初期段階でも、デフレの被害者はいる。それは、リストラの憂き目にあった人たちや良質な雇用機会を得られなくなった新卒者たちである。
しかし、リストラされた人は全体からみたらわずかだから、彼らの声は無視される。新卒者は投票に行かないし、高卒者にはそもそも投票権がないから政治的にデフレを強要されることもないのだ。

(p.52-3)


とりあえず選挙いこうな。
それにしても、大学教員なんざ、何だかんだ言っても相対的には雇用の安定した勝ち組だから*1、学生さんたちにあれこれ就職のことを言うのは気が引けるわな。

*1: あくまで、今のうちは、だ。近いうちにそれほど呑気なことは言ってられなくなる