ついでだ

日本の「メール脳」の人は、テレビゲームで自閉症になるとかいう珍説まで唱えてらっしゃるようなので、予防線。
もとは日本自閉症協会東京都支部にあったページのようですが、なくなってるので、グーグルのキャッシュにリンクしときます。


http://66.102.7.104/search?q=cache:YNin-HHUiIoJ:www.autism.jp/k-05-asahi.htm+%E3%83%86%E3%83%AC%E3%83%93%E8%A6%96%E8%81%B4%E3%81%A8%E8%87%AA%E9%96%89%E7%97%87&hl=ja


ここで批判されている片岡直樹氏だが、少なくとも本のなかでは「自閉症」と「自閉症類似」を区別して、テレビやゲームは後者(自閉症類似)と結びつけている。
だから、正確には片岡氏自身はテレビやゲームが前者「自閉症」の方の原因とは言っていないわけなのだが、そのことはよほど記事を注意深く読まない限りわからない。
責任の一端が片岡氏にあるとの批判は免れないだろうが、大半は記者と新聞社にあるだろう。そこからすると、少し気の毒な気もする。
私自身は、過度のテレビ視聴が「自閉症類似」をもたらす可能性はあるだろうと考えているし、講義でもこの話題はするのだが、やはり気を付けんとなあ。
自閉症」と「自閉症類似」の区別は強調するのだが、受講生のなかには「類似」がすぽんと抜けた答案を書いてくるやつもいるし。
講義で取り上げるのはやめたほうがいいのかもしれないと思いつつ、一方で、将来、子供の親になるかもしれない彼ら彼女らの記憶の片隅にでも過度のテレビ視聴の危険可能性はとどめておいてほしいと思うところもあり、悩ましい問題。


ちなみに、危険可能性があるからと言って、むやみに「ノーテレビデー」なんかを称揚するのはどうかとも思うのだ。
前にも書いたと思うが、子どもに1日5時間も6時間もテレビや幼児向けビデオを見せるには、子育てのきつさを生む社会背景(お母さんが一人きりで家にこもって育児しなくちゃならない、かつてあったようなジジババや地域の助けに乏しい、テレビやビデオ見せときゃとりあえずおとなしくしててくれるから手間がかからない)もあるわけで、そこをきちっと押さえないまま、「テレビを見せちゃダメだ」って強迫観念を植えつけたとしたら、また別の形で問題が噴き出してくるだけなんじゃないだろうか。