別冊SIGHT『日本一怖い!ブック・オブ・ザ・イヤー2005』
ビジネス&サイエンス部門の選書は次のとおり。
編集部の3冊
- 作者: 堀江貴文
- 出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ
- 発売日: 2004/08/31
- メディア: 単行本
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- 作者: 玄田有史,曲沼美恵
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2004/07
- メディア: 単行本
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- 作者: 高橋伸夫
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2004/01/17
- メディア: 単行本
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稲葉振一郎の5冊
- 作者: 飯田泰之
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2003/12/11
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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- 作者: パオロ・マッツァリーノ
- 出版社/メーカー: イースト・プレス
- 発売日: 2004/06/20
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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- 作者: 河合幹雄
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2004/08/26
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広い宇宙に地球人しか見当たらない50の理由―フェルミのパラドックス
- 作者: スティーヴンウェッブ,Stephen Webb,松浦俊輔
- 出版社/メーカー: 青土社
- 発売日: 2004/06/01
- メディア: 単行本
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人間の本性を考える ~心は「空白の石版」か (上) (NHKブックス)
- 作者: スティーブン・ピンカー,山下篤子
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2004/08/31
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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山形浩生の5冊
- 作者: ローレンス・レッシグ,山形浩生,守岡桜
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2004/07/23
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- 作者: 名和小太郎
- 出版社/メーカー: みすず書房
- 発売日: 2004/03/16
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- 作者: 中西準子
- 出版社/メーカー: 日本評論社
- 発売日: 2004/09/01
- メディア: 単行本
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- 作者: 谷岡一郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2004/03/17
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- 作者: ジョン・L.エスポズィート
- 出版社/メーカー: 明石書店
- 発売日: 2004/04/30
- メディア: 単行本
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ホントに怖えー。
さるところから頼まれて書いた「今年の3冊」が上の「5冊」とあやうく完全にかぶりかけた。
「『反社会学講座』はまあ入れるとして、その流れで『安全神話崩壊』も入れようっと、ん〜、あと1冊『人間の本性』入れたいな〜、でも社会(科)学関連って指定だしな〜、これは別の分野で挙がるだろうしな〜、別のにしとこ。」
というわけで、かぶったのは2冊にとどまった(ふー)
稲葉さんの『反社会学』評がおもしろい。
ウェブの人気サイトの単行本化であり、匿名の著者はおそらくプロの(日本の)社会学者と思われます。内容的には……巷にあふれる、恣意的なデータの読み込みで自分の思い込みを垂れ流しているだけのダメ社会評論をバッサバッサと斬り捨てていきます。
ただ気になるのは「反社会学」を名乗るあたりです。実際には本書は内容的には「(偏ってはいるが)まともな社会学講座」であって、「反・社会学講座」ではありません。……往々にして自称「社会学者」の「研究」の少なからずが実はこうしたダメ評論と変わらないものになってしまっているとは言っても、それはそういうダメ「社会学者」の罪ではあれ、社会学という学問自体の罪ではありません。
またもうひとつ難を言えば、実は社会学者は経済学者や政治学者、その他諸々の××学者と比べたとき、圧倒的にこういう自虐ネタが大好きなのです。他分野の人間や素人に「社会学ダメじゃん」と言われると激昂することの多い社会学者ですが、仲間内では「社会学がいかにダメか」と言い合うことに無上の喜びを感じているとしか思えない人が多数います。その意味でも本書は実に正統的な「社会学」の入門書であるのでして、その事実を重うとぼくは少しばかりため息が出てしまうのです。
自虐する学としての社会学。
正鵠を射ているように思われ。