梶原しげる「言葉遣いから見えてくる若者心理」

以前、日経新聞(2005年4月15日付、夕刊)に載っていたものだが、ご本人のサイトに記事全文がアップされていたのでクリップ。
東京成徳大大学院に提出された修士論文がネタ元。
http://www.spgroup.co.jp/kaji/column/ のDate: 2005-04-23 (Sat)より。

さてその修士論文だが、私は二年生の春、「言葉遣いから見えてくる若者心理」をテーマと決めた。
 きっかけは文化庁が実施している日本語に関する調査。言葉を扱う仕事柄、若者の奇妙な物言いが普段から気になっていた。そこへ「『お荷物のほう』『話とかしてました』『私的には』など、あいまいにぼかす表現が若年層に広がっている」という結果が出て、研究したくなった。
 若者がこんな表現を使うのはなぜか。当時「対人関係の希薄化」や「伝達能力の未熟さ」が指摘されたが、根拠がはっきり示されない。ならば自分が調べようと思った。

…(略)…

 まず、二十歳前後の若者約五十人に面接調査して「〜系」「なにげに」「みたいなぁ」「になります」など使用頻度の多かった三十三のあいまい表現を抽出。そうした表現を多用する人とそうでない人で、対人関係や伝達能力に違いがあるか調べた。
 大変だったのはアンケートのための質問作り。ただ思いつくまま項目を並べればいいというものではない。何度繰り返し調査しても、同じ結果が出るような信頼性を十分に確保するには、質問項目の予備調査などたくさんの作業が必要だった。
…(略)…

 結果は――。あいまい表現を多用する人は深く干渉し合う濃密な人間関係を好まない傾向があった。これは当時の指摘を裏付けるものだ。しかし自分の言い分を上手に相手に伝える技術を持っている傾向も見られ、「伝達能力が未熟」という当時の指摘を否定する結果となった。

一度、成徳大へ行って修論実物を読んでおきたい。
というか、調査結果をまとめてどこかの学会誌へ投稿してくれているといいのだが。
文藝春秋』81巻14号(2003年12月号)に、「大丈夫だったでしょうか?」という記事は掲載されているようなのだが。
それとも別名(本名?)でどこかに掲載されているのだろうか。
これ↓を買ってみるか。

口のきき方 (新潮新書)

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このなかの一章分が

第4章 若者言葉の味わい方
「てゆうかあ」「ぶっちゃけ」「私って○○なヒトなんです」等々、
うっとうしい若者言葉に隠された意外な知恵とは?

にあてられているらしいのだが。