おしゃべりはなるべく固定電話で--米国ティーンエージャーの通信事情

http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20085894,00.htm


Pew Internet & American Life Projectが2004年に、12〜17歳の若者1100人を対象に行った調査結果。
タイトルになっている知見については、「この世代の若者は実は、非常に賢く(携帯電話と固定電話を)使い分けている。固定回線を使ったサービスの料金は、親が負担するケースが多い」ので、携帯電話の利用時間(料金)を節約しようとしているのだろうということなので、さもありなんといったところ。

この調査では、15〜17歳の女子の97%がIMを利用すると回答している。これは、同じ年齢層の男子より10%多い数値だ。また、テキストメッセージを送信した経験がある15〜17歳の女子は57%にのぼる一方で、同年齢層の男子で同じ回答をした人は40%だった。また、この年齢の女子の半分以上は、オンラインで商品を購入した経験があると回答しており、学校や健康、エンターテインメントなどに関する情報をウェブで調べる傾向も、男子よりも強いという。


テキストメッセージ=日本でいうところの携帯メールの利用頻度については、日本でも女性のほうが高いのは、複数の調査で一貫してみられる傾向。
一方、ネットを介したチャットやメッセージについては、日本では男女差があまり見られない。
ただ、韓国の場合は、やはり女性のほうが男性より利用時間が長い傾向にある(橋元良明ほか「インターネット利用に関する日韓大学生調査」『東京大学社会情報研究所調査研究紀要』20号、2003年)。
日本の場合も、ネットの「大衆」化にともなって、今後、アメリカや韓国のような男女差がみられるようになるのか。それとも、ケータイとネットは今しばらくは棲み分けられるのか。
そもそも何がこの男女差をもたらしているのか。「つながりの社会性」が女性で高い?いや、そもそもつながりの社会性の「男性」的なありかたと「女性」的なありかたを考える必要もあるだろう。別に性・ジェンダーといった軸だけでなく、つながりの社会性と十把一絡げに論じるには、そろそろ乱暴すぎるといえる時期にきているような気もするし。

だが、この調査では意外な事実も明らかになった――インターネットに高い関心を持っている若者の方が、オンライン活動をしない若者よりも社交的であることが分かったのである。
 「10代の若者が社会的に孤立しているというのは、勘違いである」と同調査レポートを共同執筆したAmanda Lenhartは述べる。「今回の調査からは、10代のインターネットユーザーが常に人と関係を持っていることを示す結果がいくつか得られた。インターネットを使うティーンエージャーの方が、使わないティーンエージャーよりも対面でのコミュニケーションに時間を割いていることも分かった。インターネットは、必ずしもユーザーから社会生活を奪うものではない」


それは「意外な事実」なのかいな。