書き込みのシステム

05年11月13日朝日新聞be(日曜版)より。
http://www.be.asahi.com/be_s/20051113/20051101TKAI0011B.html

 本の書き込みは、通常古本屋では歓迎されないが、書いた人によっては価値がある。
 16世紀、天動説から地動説へという天文学の革命をもたらしたコペルニクスの著書「天球の回転について」には、新説に触れた当時の研究者たちがいろいろなことを書き込んだ。
 そこに当時の科学者の姿を見たのがオーウェン・ギンガリッチの『誰も読まなかったコペルニクス』(柴田裕之訳、早川書房、2415円=税込み)だ。
 天文学者でその歴史にも造詣(ぞうけい)の深い著者は、たくさんのコペルニクスの「天球の回転について」を調べ、いろいろな書き込みを見つけた。詳しい図解だったり、数表の訂正だったり。いくつもの本に共通な書き込みもあるし、他にはないデータを付け加えたものもあった。
 当時、この本を精読した人たちは、書き込みという方法で「知のネットワーク」を作っていたのだろう。「難しくてだれにも読まれなかった」という伝説があったが、実はそうではなかったのだ。

やりかた自体はwiki(pedia)なんかと同じだわな。
インターネットをもう一度あえて改めてグーテンベルクの銀河系に差し戻して値踏みしてみたいという誘惑に駆られる今日この頃。
どなたか優秀なメディア史研究者のかた、この線で本を一冊書いてはもらえませぬか。

Aufschreibesysteme 1800/1900

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