日曜の新聞の書評面に、「反社会学講座」の広告がでかでかと。
それを見た妻いわく、


「コレ、おもしろそーじゃない?」
へへ〜ん、おいら、この本の帯に推薦文書いたんだよ〜ん。
「へええ、おもしろい?」
うん、おもしろいぞ、読む?
「読む」
じゃ、研究室に忘れ物取りに行くついでがあるから、取ってきて貸したげよう。


ほれ、表紙は吉田戦車ってゆうめいな漫画家なんだぞう。
「あ、知ってる」
(マンガ音痴なのになぜ吉田戦車は知ってるのだ?それはともかく)
この本、すごい売れてるみたい、生協の人文書ランキングでもずっと1位だし。
「じゃ、あなたにも印税入る?」
いや、おいらは帯に1行書いただけだから……。
「なんだ、旅行連れてってもらおーと思ったのに」
あのね……。


翌晩、帰宅すると、


「これ書いたの、あなたでしょ?」
は? はああ?
「この少年犯罪の統計の話なんか、同じこと言ってたじゃないの」
それはでも、社会学者のあいだでは、割によく知られた話で。
「イギリスの話もでてくるし」
いや、確かにわれわれも在外研でロンドンにいたけどさ、パオロさんもイギリスに留学してたんじゃないの。
「他にもあなたがしてた話が出てくるし」
いや、それはこれを読んでネタにした話もあるし。
「ほんとにあなたじゃないの?」
おいらにはここまで洒脱には書けないよ。
「正直に言いなさいよ」
他にもいろんな人から訊かれるけど、おいらじゃないんだって。
「実のおヨメにもホントのことが言えないの?」
ヨメさんだろーが、だれだろーが、ホントにおいらが書いたんじゃないの!
「印税で旅行に連れて行きなさいよ」


_| ̄|○


ヨメさんにまで疑われるとは……。
いいかげん否定するのもめんどうになってきたので、やけくそで「はい、私が書きました」と言いたくなってきたりして。
冤罪はこうして作られるのだな……。